プラハのカレル橋を渡った向こう、フランツ・カフカ博物館の近くに、『Čertovka 』というカフェがあります。
Mala Strana (“Little Quarter”)という名の小さなスクエアにある、U Lužického semináře 通りから、川沿いに向かう階段状の小径が、プラハ一(世界一)、狭い道路とされる、Vinárna Čertovka(Vinarna Certovk)です。
小径の長さは10メートル、道幅はわずか50センチしかありません。
小径の先には、Čertovka というレストランがあるのですが、ここを訪れる人はレストランが目当てではなく、この名所を写真に収めて、SNSにアップしたい猛者が(多分)大半。
あまりにたくさんの人がシャッターチャンスを待っているので、私も一瞬しか撮れませんでしたが、とにかく撮れた・・・という自己満足の場所です。
押しの強い人は、通路の中でポーズを決めたり、仲間同士で入れ替わり立ち替わりしながら、ビデオを撮影したり、なんというか、プライベートスタジオと化していましたが。
でも、分かります。Facebookだか、Twitterだかにアップして、えへへへっと紹介したいんですよね。私もそうだもん。
撮ってしまえば思い出しもしなかったりするのですが、写真も大勢と共有する時代、「撮ることだけが目的」みたいな場所も必要なのかもしれません。
で、肝心のレストランには行かない、と(カワイソー)
しかし、この場所は、カフカ博物館の近くにあるので、余計で印象的なのです。
ああ、ついにフランツ・カフカの聖地に来たなあと感慨に耽りながら辺りを散策していると、突如、カメラを構えた観光客の群れが目に入る。何かと覗いてみれば、この世界一狭い道路があるんですよね。
カフカの作品を重ね見ると、自分まで『虫』になったみたいで、どこに迷わされているのかという気分になります。
欧州には時間が止まったような歴史的な町がたくさんあるけども、プラハの四次元間はまた格別です。なんと言っても、フランツ・カフカの聖地ですから。
聖地巡礼の先に世界一狭い道路がある――というのも、フランツ・カフカらしくていい。
ここに来ると、時の経つのも忘れて、カフカの作品を読み耽りたくなるのです。
カフカ博物館のある町並み
カフカ博物館のある界隈は、シックな石畳の街路が広がり、小さな商店や雑貨店、飲食店が軒を連ねています。
こちらは人気のビアバー。お客さんは店の外でビールを立ち飲み。内部にはレストランもありますが、いつも満席で、ふらりと立ち寄るのは難しい。
ビールのお供は、もちろんグラーシュですよ。
うつむき加減に歩くカフカとすれ違いそうな町並み。手前の車がなければ、もっといい感じの写真になるのですが、案外、車や人通りが多いので、仕方ないですね(´。`)
こちらもカフカ博物館の近くにあるビアバー&レストラン。ちなみにグラーシュは有名どころより、個人経営の定食屋の方が美味しかったりします。キッチンでは、おばあちゃんが腕を振るっている、という。庶民の舌には洗練された味付けより、ぐつぐつ煮込みまくったグラーシュの方が合うのかもしれません。
カフカを読むなら……
[asa book]4102071016[/asa]これは文句なしの名作ですね。
父親から見れば非力な息子など『虫』でしかないのでしょう。
父親は『世間』に置き換えても通じる。
★その他のインフォメーション
Prague’s Narrowest Street is So Narrow it Has Traffic Lights For Pedestrians
https://www.atlasobscura.com/places/vinarna-certovka
カフカ博物館は目と鼻の先。